学習会「安保法制成立後 拡大する自衛隊訓練の実態」

第11回安保法制違憲訴訟学習会
「安保法制後 拡大する自衛隊の訓練と実態」
お話:青木有加 弁護士

2月14日(月)18:30~
場所イーブルなごや視聴覚室&オンライン視聴
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<はじめに>
私の準備書面はどのようにして出来たのか?
自衛隊は、装備だけでなく訓練でも安保法制の影響が出ています。
そのため、訓練について書面化しました。
中谷氏の「「中国脅威論」「北朝鮮脅威論」はどのように出来たか?」とも関連します。
共同演習は、現在の自衛隊が出来ることを表しています。
そして、それは緊張関係にある国に脅威を与えています。

私は安保法制が整備された2015年に弁護士登録をしました。
現在弁護士8年目です。そして安保法制も8年目です。
集団自衛権・PKOの活動は戦争法案だと騒がれた年でもあります。
準備書面を作りながら、戦争に加担できるように実際になっていると感じています。
そして、安保法制は「命の問題」なんだと実感するようになりました。
平時からも集団自衛権を行使できることが分かる訓練の実態。
それが関連国に脅威を与えています。

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<1 実態は分かるのか?>
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「武器等防護」について。
報道でもオーストラリア軍にも武器防護を行ったと出ています。
ところが、その件数の数字はわかっても、内容は分かりません。
なぜ、そうなるのでしょうか?
それは前年結果を報告するためです。
「自衛隊法第95条の2運用に関する指針」に、
防衛大臣は、毎年、前年に実施した警護の結果について、国家安全保障会議に報告するものとする
とあるからです。
実態は発表されたものだけでは、わからないようになっています。
国民が選挙の時に考える材料としての情報が十分に与えられていないという問題があります。

<2 安保法制前はどうだったのか?>
日米共同演習、多国間共同演習に分けてお話します。
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2009年自衛隊法82条の警備行為として海賊対策のためにソマリア沿岸へ。
当時の政府解釈は「自衛のための」範囲内に止められ、
「必要に応じて公共の秩序の維持に当たる」ものでなければならなかった。
上記の派遣は、その点において、自衛隊法及び憲法9条に違反していました。
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2001年アフガニスタンに攻撃した空母を護衛する活動では、集団自衛権という言葉で批判がされました。
95条の2がなかったため、当時の小泉首相も苦しい答弁をしました。
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安保法制以前の日米共同演習は、
演習実施場所が日本の領海内か、周辺海空域などであり、防衛のための訓練であると説明できるものでした。
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多国間共同演習は、知る人ぞ知るという感じで行われていました。

<3 安保法制以後の自衛隊が参加する訓練>
概要 (1)~(6)
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(1)日米共同演習
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場所 日本から離れたグアムとか北マリアナ諸島
オブザーバー参加もありました。
アジア太平洋戦争では、テニアン島は日本統治の本拠地でした。
また、原爆を投下した飛行機が飛び立った場所でもあります。
そこで2018年度はキーンソード19が行われました。
2021年はキーンソード21が、
イギリス、豪州、カナダ、フランス、インド、フィリピン、韓国の7か国がオブザーバー参加しました。
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これは2016年度キーンソード17で、陸上自衛隊がテニアン島で上陸訓練をしているものです。

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2018年度キーンソード19では、日本国内で初めてとなる米軍輸送機からの陸上自衛隊のパラシュート降下訓練が行われました。
写真などは、横田ジャーナルから転載しました。
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2021年度キーンソード21では、島を戦場に見立てた訓練が行われました。

(2)インド洋、南シナ海、フィリピン、豪州北東等への派遣、共同訓練
①マラパール
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詳しくは半田さんの著書などをお読みください。
アメリカとインドが行っていた訓練に2015年以降参加するようになりました。
それは中国に脅威を与えました。

②インド太平洋方面
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2019年には、空母にヘリコプターが着艦する訓練を行いました。
空母は海の滑走路であり、そこへの着艦は他国に脅威を与えました。
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アメリカとオーストラリアが実施していた共同訓練、タリスマン・セイバーに参加。
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2017年には、米軍との空中機動の共同訓練を行いました。
空中機動とは、地上部隊を航空機・ヘリコプターで移動させることです。
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2019年のタリスマン・セイバー19では、日米共同で水陸乗用車で海岸に上陸しました。
銃を持って訓練しています。
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2020年はコロナが始まった年。
2021年は、コロナがあり、オリンピックのあった年です。
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2021年のタリスマンセイバー2021ではアメリカ、イギリス、カナダ、韓国軍と実動訓練を行いました。
日米豪英の4か国作戦会議も行われました。

(3)多国間共同訓練
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昨年2021年8月から9月にかけて、かなりの大規模訓練が行われました。
LSGE21(Large-Scale Global Exercise 2021)と呼ばれる演習です。
自衛隊は陸・海・空3自衛隊が参加しました。
米英蘭加との共同訓練(Pacific Comet21)は9月2日から7日に行われました。
訓練後、英空母「クイーン・エリザベス」は日本に来ています。
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9月6日、岸防衛相は、英空母「クイーン・エリザベス」を視察しました。
「『国際法によらない海洋秩序の変更』にヨーロッパの国々が関心を持ち、(中略)地域の平和と安定に資する」
「イギリスの空母打撃群が、日本に寄港する意義は大きく、『自由で開かれたインド太平洋』の維持・強化のため、我が国との連携が地域の平和と安定を促進するものだと確信している」
と、日英防衛協力をアピールしました。
それは緊張を高めていくことにもつながるとともに、とても憲法9条のある国とは思えない発言です。

(4)ソマリア沖アデンでの共同演習
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防衛白書からの引用です。

(5)自衛隊自体の訓練の変化
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①PKO
「水をよこせ」と迫る群衆に、機関銃も持ち「近づくな」という訓練も行われました。
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②2021年陸上自衛隊
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模擬兵器のレーザーが隊員の制服などに当たると、殺傷されたと通知を受ける仕組み。
模擬戦闘訓練では、攻撃を受けた隊員を戦場の隊員が応急手当を施し緊急治療施設に運び、
けがの深刻度に応じた訓練を行っている。
CNNの記事が動画で見られるそうです。
米CNN「陸上自衛隊、約30年ぶりの大規模演習 地域の緊張高まる中」
2021年10月23日報道。

③護衛艦の空母化
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予算がとられ、修理が進められていきます。

2015年に心配したことが、2022年の現在では、他の国と戦争できるようになってきています。
自衛隊のWEBに堂々と資料が載るということは、安保法制によって可能になっています。
軍事に疎くてもこれだけのことがインターネットで調べられる時代なのです。


感想
安保法制とともに防災にも関心を持っています。
日本の防災は自衛隊を軸に準備されてきましたが、安保法制によりそれが不可能になることがあり得ると感じています。
自衛隊依存のため、昔はあった市町村の給水車は減らされ、私の住んでいる市でも給水車は1台もありません。
「水をよこせ」という群衆に「近づくな」という武器で威圧するのが現在の自衛隊なのだと実感しました。

私も最近になって、いろんな講演会を視聴するようになり、知ったことも多くあります。
自衛隊の実情がわかる準備書面により、
安保法制により自衛隊の訓練がより実践的になり、報道も出来るようになった、
それは9条に違反している、ということが軍事に関心のなかった裁判官の皆様の心に響くことを願っています。


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