「令和2年版防衛白書」と自助 

防衛白書(令和2年版)は防衛省のホームページから無料でダウンロード出来ます。
令和2年版は読んだ方が良いと聞いたので、さっそく、ちらっと見てみました。

防衛白書で検索すると、まず、カラーの概要版っぽいものが出てきます。
ざっくり見てみると、楽しく自衛隊について学んでね、といった雰囲気。
要は自衛隊の宣伝ですね。

本来の白書に相当するものが、「資料編」と呼ばれているものです。
「資料編」は、言葉は可能な限り選んであるようですが、国民に対する報告書の形にはなっています。


1.同じ言葉が同じページに3回出ている‼

どの部分が問題なのだろうと探してみました。
しばらくして、問題箇所を発見しました。

資料2 平成31年度以降にかかる防衛計画の大綱について
p.479 Ⅲ 我が国の防衛の基本方針 です。

p.479.png

黄色のマーカーが問題の部分です。
分かりにくいので、拡大したものも載せておきます。

我が国の防衛の基本方針①.jpg
我が国はこれまでに直面したことのない安全保障環境の現実の中でも、
国民の生命・身体・財産・領土・領海・領空及び主権・独立を守り抜く・・・・
と書かれています。
この「国民の生命・身体・財産」の後に「領土・領海・領空」が来るのを覚えておいてくださいね。

1 我が国自身の防衛体制の強化
(1)総合的な防衛体制の構築
我が国の防衛の基本方針②.jpg
これまでに直面したことのない安全保障環境の現実に正面から向き合い、
防衛の目標を確実に達成するため、‥‥(以下略)

(2)我が国の防衛力の強化
 ア 防衛力の意義・必要性
我が国の防衛の基本方針③.jpg

 防衛力は、我が国の・・・(中略)
独立国家として国民の生命・身体・財産と我が国の領土・領海・領空を・・・(中略)
 このように、防衛力は、これまでに直面したことのない安全保障環境の現実の下で、
我が国が独立国家として存在・・・(略)

ここでもが国民の生命・身体・財産が領土・領海・領空よりも先に書かれています。
少なくともこのページを記述された方は、
「国民の生命・身体・財産」>「領土・領海・領空」
と考えて見えることが読み取れます。

「国民の生命・身体・財産」を守るためには「領土・領海・領空」を守らなければならない、
といった極めて常識的な考え方をされているんだなぁと感動しました。

次に少しだけ違った表現が出てきます。
 イ 真に実効的な防衛力-多次元統合防衛力
また、不確実性を増す安全保障環境の中で、我が国を確実に防衛するためには、・・・(以下略)

私は「これまでに直面したことのない安全保障環境の現実の中で」
不確実性を増す安全保障環境の中で」はイコールだと考えています。

これまでアメリカは「日本を守るから日本にアメリカの基地を作り、費用も出しなさい」と言ってきました。
ところが、直近では「日本を守るかどうか分からないが、基地と費用、そして命も差し出しなさい」と言っています。
たぶん、このことを指しているのではないでしょうか?

問題は同じページに全く同じ言葉が3回も出てきていることです。
しかも、「これまでに直面したことのない安全保障環境の現実」
という言葉は23文字あります。
23文字からなる言葉が一字一句違えず、同じページに3回登場しています。

同じ言葉が3回というのは、どういう意味なのでしょうか?

私はSOSと解釈しました。
誰か助けてほしいと。

このページを記述された方は、国民の生命・身体・財産を守るために、
領土・領空・領海を守ると考える常識人です。
その人物が、「国民の生命・身体・財産」を守ることが出来ないかも知れないのに、
戦場には出ていかなければならない、という不条理に悲鳴を上げているのだと。

この解釈はもしかしたら見当違いかもしれません。
ただ、「防衛白書」の同じページに23文字からなる言葉が3回出てきているのは事実なのです。


2.「優先事項」はなんだろう?

p.481の右下から
Ⅳ 防衛力の強化に当たっての優先事項
があります。

優先事項①.jpg
1基本的な考え方
防衛力の強化は、格段に速度を増す安全保障の変化に対応するために、
従来とは抜本的に異なる速度で行われなければならない。
(中略)
このため、防衛力の強化に当たっては、
特に優先すべき事項について、可能な限り早期に強化することとし、(以下略)

p.482
2 領域横断作戦に必要な能力の強化における優先事項
(中略)
3 防衛力の中心的な構成要素の強化における優先事項
(中略)
少なくともこの中には「災害救助」は入っていませんでした。
やらないわけではないけれど、優先すべき事項からは外れてしまうわけです。

アメリカ>日米同盟>国体>国土防衛>国民の生命・身体財産
ということなのでしょう。

大事なのは国民の生命・身体財産を守ることではなく、国のメンツともいうべき「国体」であり、
そのためには、「日本を守る」と確約しなくなったアメリカの下に、
自衛隊員の命を差し出さなければならないのでしょう。

若い人の中には、「(日本が)アメリカの州になったら、命は守ってもらえる」という意見があるようです。

「防衛白書」には書かれていませんが、
アメリカ軍のシュミレーションには、
「日本の自衛隊が全滅した場合」
というのもあるそうです。

日本全土が戦場として想定していますが、私にはどうすることも出来ません。

ただ、いえるのは、「戦争が起きるときに、大きな地震が起きることが多い」ということです。

日本の長い歴史を紐解いてみると
異常気象→不作→戦争の流れが見えてきます。
そして、大きな戦乱の時に地震も起こっています。

異常気象と地震の関連性については分かりませんが、
現在もまた異常気象により各国がきな臭くなっています。


3 自助

この白書から読み取れるのは、
自衛隊の災害派遣はやらないわけではないけれど、
優先順位からは外れるよ、ということでした。

つまり、大地震が起こっても自衛隊が駆けつけられるとはかぎらないよ、
ということです。

現在、防災の体制はざっくり言えば、
自治体から国へ要請をして自衛隊を派遣してもらう、
いう事ではないでしょうか?

一昔前とは異なり、水も食糧も衛生もすべて自衛隊頼み。
それが、必ず来てもらえるとは確約できないのが現在なのです。

そして、この白書が出るとほぼ同時期から「自助」という言葉が盛んに言われるようになりました。
公的支援は自衛隊頼み。
それが不確実になったから自分で備えてね♡
という事なのでしょうね。

私がイメージする大震災は「阪神淡路大震災」からです。
自衛隊が活躍するのを目にして、頼もしいなぁと思っていました。
もう、それをあてにしてはいけないのです。

自衛隊が来られない場合、どうしたら良いのでしょうか?
それこそ、SOSの大きな文字を書く練習をしとかなきゃと思っています。

sos.png

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