「18大綱」と大災害と「自助」

あなたは大災害が起きたら、自衛隊が助けてくれると考えていませんか?

「18大綱」と大災害と「自助」は関連性がないのでしょうか?
私は重要な関連性があると考えています。
その理由とは何でしょうか?

1.18大綱とガイドライン

「18大綱」とは何かご存じでしょうか?
「自衛隊の方針を決めるものだったかなぁ」という意見が聞こえてきそうです。
私もその程度の知識しかありませんでした。
(以下、茶色の字は安保法制意見国家賠償請求事件の原告ら準備書面(19)からの引用です)

『大綱』とは「防衛計画大綱」のことです。
向こう10年間を見通して策定されるものだそうです。
18大綱とは2018年に閣議決定された防衛計画大綱です。

ところが、2013年末に13大綱が作られたのに、
初めて同じ首相のもとで、大綱が2回作られました。
安保法制法が施行され、13大綱では抱えきれないほど軍事への傾斜が強まったためです。

18大綱では、過去政府が保有できないとしてきた
「大陸間弾道ミサイル、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母」
のいずれも保有することになったのです。

ガイドラインとは何でしょうか?
ここでは、「日米防衛協力のための指針」を指します。
2015年4月27日に定められた2015新・新ガイドラインでは、
自衛隊と米軍の役割が変化しています。

1978年ガイドラインでは、
「米陸上部隊は、必要に応じ来援し、反撃のための作戦を中心に陸上部隊と共同して作戦を実施する」
であり、私たちが思っている米軍が日本を守ってくれるという内容です。

ところが、2015年ガイドラインでは、
米軍の役割は「自衛隊の作戦支援及び補完するための作戦実施」になっているのです。
米軍中心だったのが、支援するだけになっています。
これだけ見ていれば、日本の自衛隊はアメリカ軍から独立したかのように感じられます。
素晴らしいことだと賛同する方もいらっしゃるかもしれません。

現状はそのような嬉しいものではありません。
日本はアメリカの指揮下にあるままなのです。
日本の自衛隊はアメリカに従って行動する義務があるが、
米軍は日本を守る義務がなくなったのです。

「辺野古の新基地建設の目的は、普天間基地の移設などではありません」
米軍と自衛隊を、オスプレイと共に強襲揚陸艦に積んで、
中東をはじめとする世界中の戦場に運ぶには、
深い深水をもつ大浦湾に面した辺野古に基地を作るしかないと考えられているのです。」
(「『日米指揮権密約」の研究」より引用。以下深緑色文字も同様)

「第三次ガイドラインでは、平時から緊急事態までのあらゆる段階で、
自衛隊と米軍が切れ目なく緊密に連絡を取り合うことになっています。
つまり自衛隊が平時から米軍の指揮下にはいることが、日米の制服組のあいだで合意され、
文書化されたということです。」

「つまり、自衛隊は国連PKOとして海外に派遣された場合も、
米軍と緊密に連携して行動するということです。」
「その米軍は「ワン・ボス」(一人の指揮官)を鉄則にしており、
国連司令官ではなく、米軍司令官の指揮下で行動します。」


2.「自助」について

つい、この間までは「公助、共助、自助」が災害時の謳い文句でしたね。
ところが、突然「自助」一辺倒になっています。
その意味を考えてみましょう。

1978年ガイドラインにおいては、米軍は日本を守るために駐留しているといったニュアンスで、
災害時において自衛隊が活躍するのはなんの問題もありませんでした。

ところが、2015年ガイドラインでは、米軍は日本を守る必要はなくなっています。
その一方で、アメリカの指揮下で中東やアフリカ、オーストラリアなどへ派兵しなければならなくなりました。

仮に、日本に大規模災害が起こったとして、自衛隊は日本を助けに行けるでしょうか?
A幕僚長が日本に自衛隊を帰国させようとしたとします。
さて、それは許される行為なのでしょうか?
指揮権は米軍にあります。
米軍はA幕僚長を「敵前逃亡」と見做し、射殺するでしょう。
どんなに、自衛隊員たちが日本に戻りたくてもそれは許されないのです。

一方、自衛隊が疎んじられていたころの災害対策システムは、
「災害時における自衛隊の活躍」により、機能縮小されています。
自衛隊依存の災害対策になってしまっています。

自衛隊は中東やアフリカ、オーストラリアに派兵することが決定しています。
指揮権はアメリカにあり、日本に大災害が発生してもそれを理由に帰ることは許されません。
そして、災害時に駆けつける自衛隊は幻と化してしまいました。

行政における災害システムに組み込まれてしまった自衛隊。
そこから自衛隊が引っこ抜かれてしまったのです。

行政としては大災害が起こった時、ほとんど何もできないのです。
だからこそ「自助」なのです。

「いざとなったら自衛隊」の考え方は改めていく必要があるのではないでしょうか?

自助には限りがあります。
どんなに水や食料を購入しておいたとしても、瓦礫の下敷きになってしまっては意味がありません。
ヘリコプターで物資を輸送してほしいと思います。
私は災害救助隊が欲しいと思っています。




<追記>

書き終わった後、自分の心の中でもやもや感が消えませんでした。

韓国の軍隊がアメリカ軍にひどい扱われ方をしていて、
それが韓国内の反米運動となり、日本の自衛隊がその代わりを担うことになったらしい。

そんなの嘘だよねという気持ちだったのに、現実のものとしてなってしまった現在。

戦後、生まれた私は「戦争反対」「平和憲法を守ろう」と呪文を唱えていれば戦争責任を果たしたと思っていました。

ベトナム戦争で韓国軍がどのような目に合ってきたのか、
わたしたちはその時代に生きてきたのに、その現実をちゃんと受け止めてこなかった。
これは、わたしたちの時代の責任なのだとやっと気づきました。

隣の国の苦境を見て見ぬふりをして、気づかないふりをして、
その戦争のお陰でもたらされた繁栄を当たり前のこととしか思わなかったわたしたち。

「知らなかった」ことは罪。

ひとことでいえば、そのツケが回ってきてしまったのでしょう。

もう遅いかもしれないけれど、それでも、私が学んでこなかったことを
これからは学んでいかなければと思いました。

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