春日井市交響楽団定期演奏会 CARMEN(セミオペラ形式)
2019年7月7日(日)春日井市民会館にて
春日井市交響楽団定期演奏会CARMENに行ってきました。
今回の定期演奏会は一味も二味も違っていました。
なぜなら、CARMENがセミオペラ形式だったからです。
アマチュアオーケストラがオペラにチャレンジ。
それだけで、ワクワクしますね。
指揮・演出 井村 誠貴
客演コンサートマスター 平光 真彌

(パンフレット表紙)
いつもとは異なり、全席座席指定。
ぎりぎりに到着すると、すでに満席でした。
今回は賛助会員の無料券ではなく、
文化フォーラムで購入したので、一番後ろの席。
それも初体験でした。
購入するときには残念に感じたこの席。
でも、オペラを見るには、いい席なのかも!
会場全体が良く見渡せます。
オペラの前にワーグナーの
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲が演奏されました。
タイトルは知らなかったけれど、良く聞くメロディーでした。
多少のずれ感が波のうねりのように感じられました。
さて、いよいよビゼー作曲歌劇「カルメン」ハイライトです。
セミオペラ形式とは何ぞや?と思ってパンフレットを読んでみました。
『セミオペラ』とは、通常のオペラ上演とは違い演奏会形式だが、
ソリストは衣装・動きを付けて行うもの。
オーケストラも通常のオペラでは『オーケストラピット』に位置されるが、
今回はオンステージ。
舞台では、弦、木管、金管・打楽器と三分割し、
そのエリアを取り囲むように通路(演技エリア)を配置。
カルメン:川村 典子
ホセ :山下 玲皇奈
ミカエラ:真井 聖美
エスカミーリョ:松下 伸也
(ジプシー・密輸団:西本 佑、奥村 育子、木村 一輝、上野 朋子、加藤 武志)
ダンス=原 綾美
最初に十字架を抱えた女性が登場。
舞台の中央に十字架を据え付けると、
十字架に絡みつくようにダンスを踊る。
だんだん、小さくなり、最後には消えるかのように後ろへと下がる。
セミオペラだから、衣装をつけて、演技もするとは思っていましたが、
ここまで、全体を通したイメージを作りこんでくるとは思わず、
いい意味で驚きました。
前奏曲はカルメンのテーマとでもいうべき曲でした。
「兵隊さんと一緒に」は子供たち(春日井児童合唱団)の登場です。
よく訓練された歌声で、気持ちよかったです。
カルメンは想像以上につやのあるセクシーな声、
「カルメン」の世界にどんどん引き込んでくれます。
交響楽団の後方にいる合唱団(春日井カルメン合唱団=「春日井第九合唱団」の有志)は、
歌の部分だけではなく、笑い声や、驚いた声、など、効果音も担当していました。
ソリストの歌声に、交響楽団、そして、合唱団の音が加わり、
全体が盛り上がっていきます。
カルメンとホセ以外の人物像があやふやなので、
パンフレットを見てみます。
うん、すごく凝っています。(パンフレットより)

劇中で、ダンサーの踊りもありました。
情熱的なカルメンの踊り、若々しさが、この踊りで見事に付け加わりました。
後半は間奏曲から始まります。
ハープとフルートがとても美しく、うっとりしました。
ホセの元婚約者ミカエラの清らかな歌声が響きます。
彼女はカルメンがホセからエスタミーリョを愛するようになったことを知り、
ホセを説得しようとします。
年老い死にかけたホセの母親の願いも告げました。
それでも、真心は通じませんでした。
カルタによって、カルメンに「死」が予告されます。
精彩がなくなったカルメンの歌声は、カルメンではなく、
声楽家の歌声のように聞こえてしまったのが少しだけ残念でした。
その代わりというべきか闘牛士のエスカミーリョの歌声は魅力的に響きます。
もちろん、ホセの歌声も素敵‼
カルメンのジブシー仲間からホセがカルメンを殺すから、逃げるように忠告されます。
それでも、カルメンは自分の生き方を変えようとはしませんでした。
ホセ登場のシーンでは、2階バルコニーで児童合唱団の合唱と、 紙テープを投げるのが印象的でした。
2階席だからこそ、バルコニーでの役者等の登場もよくわかります。
最後列の席の醍醐味をたっぷりと味わえた演出でした。
カルメンの死の場面から、合唱団・木管・金管は幕の後ろへと下がります。
そこで、冒頭のコーラスが繰り返されるのですが、同じ調子だったのが残念でした。
最後にまた、十字架を背負ったダンサーの登場です。
また、踊りを披露。最後に、十字架は指揮者に渡されてしまいます。
思わず笑ってしまいました。(ちゃんと、落ちがあるのですね。)
<感想>
ホセへの義理立てをせず、堂々と「エスカミーリョを愛している」というカルメン。
どんな心情だったのでしょうか?
自分の心にありのままに忠実に生きる、
それだけは、命がかかっていても、変えることはできない。
情熱に流される弱いカルメンだけではなく、
一途な強いカルメンも存在していたのだと感じました。
ホセはいきなり、カルメンを殺したのではありませんでした。
殺したくないからと説得を重ね続けます。
カルメンの罵倒についに激情に走り、カルメンを刺し殺すホセ。
自分が刺してしまったことに驚き、カルメンが死んだことを嘆くホセ。
カルメンの強さに対し、ホセの弱さがよく出ていました。
情報は正しく伝わっているのだから、ホセはミカエラを選ぶべきだった、
または、冷静に考える時間をもうけるべきだったと思います。
ソリストの方々の素晴らしい歌声と演技に心を打たれました。
交響楽団もアマチュアとしては、とても良い出来だったと思います。
最後の最後まで、違和感を感じずに歌劇「カルメン」の世界を楽しむことが出来ました。
こんなに素晴らしいセミオペラ「カルメン」
支払った金額はたったの、1,000円です。
(一桁違いますね)
せめてもと、拍手だけは惜しみなく、
手が痛くなるまで拍手しました。
本当に「ありがとうございました」の感謝を込めて。
<蛇足>
今朝の中日新聞朝刊に「カルメン」の記事が出ていました。
満席は、1000人だったのですね。
賛辞が載っていました。

春日井市交響楽団定期演奏会CARMENに行ってきました。
今回の定期演奏会は一味も二味も違っていました。
なぜなら、CARMENがセミオペラ形式だったからです。
アマチュアオーケストラがオペラにチャレンジ。
それだけで、ワクワクしますね。
指揮・演出 井村 誠貴
客演コンサートマスター 平光 真彌

(パンフレット表紙)
いつもとは異なり、全席座席指定。
ぎりぎりに到着すると、すでに満席でした。
今回は賛助会員の無料券ではなく、
文化フォーラムで購入したので、一番後ろの席。
それも初体験でした。
購入するときには残念に感じたこの席。
でも、オペラを見るには、いい席なのかも!
会場全体が良く見渡せます。
オペラの前にワーグナーの
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲が演奏されました。
タイトルは知らなかったけれど、良く聞くメロディーでした。
多少のずれ感が波のうねりのように感じられました。
さて、いよいよビゼー作曲歌劇「カルメン」ハイライトです。
セミオペラ形式とは何ぞや?と思ってパンフレットを読んでみました。
『セミオペラ』とは、通常のオペラ上演とは違い演奏会形式だが、
ソリストは衣装・動きを付けて行うもの。
オーケストラも通常のオペラでは『オーケストラピット』に位置されるが、
今回はオンステージ。
舞台では、弦、木管、金管・打楽器と三分割し、
そのエリアを取り囲むように通路(演技エリア)を配置。
カルメン:川村 典子
ホセ :山下 玲皇奈
ミカエラ:真井 聖美
エスカミーリョ:松下 伸也
(ジプシー・密輸団:西本 佑、奥村 育子、木村 一輝、上野 朋子、加藤 武志)
ダンス=原 綾美
最初に十字架を抱えた女性が登場。
舞台の中央に十字架を据え付けると、
十字架に絡みつくようにダンスを踊る。
だんだん、小さくなり、最後には消えるかのように後ろへと下がる。
セミオペラだから、衣装をつけて、演技もするとは思っていましたが、
ここまで、全体を通したイメージを作りこんでくるとは思わず、
いい意味で驚きました。
前奏曲はカルメンのテーマとでもいうべき曲でした。
「兵隊さんと一緒に」は子供たち(春日井児童合唱団)の登場です。
よく訓練された歌声で、気持ちよかったです。
カルメンは想像以上につやのあるセクシーな声、
「カルメン」の世界にどんどん引き込んでくれます。
交響楽団の後方にいる合唱団(春日井カルメン合唱団=「春日井第九合唱団」の有志)は、
歌の部分だけではなく、笑い声や、驚いた声、など、効果音も担当していました。
ソリストの歌声に、交響楽団、そして、合唱団の音が加わり、
全体が盛り上がっていきます。
カルメンとホセ以外の人物像があやふやなので、
パンフレットを見てみます。
うん、すごく凝っています。(パンフレットより)

劇中で、ダンサーの踊りもありました。
情熱的なカルメンの踊り、若々しさが、この踊りで見事に付け加わりました。
後半は間奏曲から始まります。
ハープとフルートがとても美しく、うっとりしました。
ホセの元婚約者ミカエラの清らかな歌声が響きます。
彼女はカルメンがホセからエスタミーリョを愛するようになったことを知り、
ホセを説得しようとします。
年老い死にかけたホセの母親の願いも告げました。
それでも、真心は通じませんでした。
カルタによって、カルメンに「死」が予告されます。
精彩がなくなったカルメンの歌声は、カルメンではなく、
声楽家の歌声のように聞こえてしまったのが少しだけ残念でした。
その代わりというべきか闘牛士のエスカミーリョの歌声は魅力的に響きます。
もちろん、ホセの歌声も素敵‼
カルメンのジブシー仲間からホセがカルメンを殺すから、逃げるように忠告されます。
それでも、カルメンは自分の生き方を変えようとはしませんでした。
ホセ登場のシーンでは、2階バルコニーで児童合唱団の合唱と、 紙テープを投げるのが印象的でした。
2階席だからこそ、バルコニーでの役者等の登場もよくわかります。
最後列の席の醍醐味をたっぷりと味わえた演出でした。
カルメンの死の場面から、合唱団・木管・金管は幕の後ろへと下がります。
そこで、冒頭のコーラスが繰り返されるのですが、同じ調子だったのが残念でした。
最後にまた、十字架を背負ったダンサーの登場です。
また、踊りを披露。最後に、十字架は指揮者に渡されてしまいます。
思わず笑ってしまいました。(ちゃんと、落ちがあるのですね。)
<感想>
ホセへの義理立てをせず、堂々と「エスカミーリョを愛している」というカルメン。
どんな心情だったのでしょうか?
自分の心にありのままに忠実に生きる、
それだけは、命がかかっていても、変えることはできない。
情熱に流される弱いカルメンだけではなく、
一途な強いカルメンも存在していたのだと感じました。
ホセはいきなり、カルメンを殺したのではありませんでした。
殺したくないからと説得を重ね続けます。
カルメンの罵倒についに激情に走り、カルメンを刺し殺すホセ。
自分が刺してしまったことに驚き、カルメンが死んだことを嘆くホセ。
カルメンの強さに対し、ホセの弱さがよく出ていました。
情報は正しく伝わっているのだから、ホセはミカエラを選ぶべきだった、
または、冷静に考える時間をもうけるべきだったと思います。
ソリストの方々の素晴らしい歌声と演技に心を打たれました。
交響楽団もアマチュアとしては、とても良い出来だったと思います。
最後の最後まで、違和感を感じずに歌劇「カルメン」の世界を楽しむことが出来ました。
こんなに素晴らしいセミオペラ「カルメン」
支払った金額はたったの、1,000円です。
(一桁違いますね)
せめてもと、拍手だけは惜しみなく、
手が痛くなるまで拍手しました。
本当に「ありがとうございました」の感謝を込めて。
<蛇足>
今朝の中日新聞朝刊に「カルメン」の記事が出ていました。
満席は、1000人だったのですね。
賛辞が載っていました。

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